変わり続ける香港
1年2ヶ月ぶりの香港です。
関西空港でキャセイのチェックインがほぼ全て自動チェックイン機に変わっていて、手間取っているうちに、座席指定の手順を飛ばしてチケットを発券してしまい、行きの飛行機では、寿姐と離れて座ることになってしまいました。
機内でカン・ドンウォンの新作映画『プロット 殺人設計者』を見られて満足な私でした。同じく韓国映画『市民ドッキ』も見直せて嬉しかった…(去年、釜山に行った時、TVで見たんですが途中からだったので。)
機内でみる映画って、ついつい、お得感を求めて、日本でまだ公開されていないものを先取りして見たい!という気になってしまいます。
でも、字幕が日本語じゃないので(キャセイだと英語か中国語、日系だと日本語字幕あるけどね)、日本映画以外だと、どうしても、韓国映画か台湾映画・香港映画を選んでしまいます。(単純に英語に弱いだけ…苦笑)
さてさて、香港国際空港に到着すると、毎回、来るたびに空港の景色が変わっていると感じます。どんどん拡張しているからかな〜。でも、時間のせいか、到着フロアに出てからは、以前より人が少なく感じました。
しかし、私たちを常宿『香港富豪東方酒店』まで連れて行ってくれるA22バスは健在で、約1時間でホテル近くのバス停に着きました。九龍城は再開発真っ最中で、あちこちで工事中。ぐるりと遠回りをしてホテルに辿り着くと14:30過ぎていたので、すぐにチェックインできました。
お部屋は、スーペリアを選んだつもりだったけど、12階と上層階だったし、ダブルベッド2台に電子レンジまで付いていました。(やっぱり12月より2月はお得!)
空港よりも街の両替屋の方がレートが良かろうと、空港で両替せずに、九龍城の町を歩き回りますが、「あれ〜昔もっと両替屋いっぱいあったよね〜?」と、探し回って探し回って、ようやくイオンモールの前辺りで両替できてホッとしました。
前回来た時に、「もう店をやめて引っ越す」と言っていた『茂源記』のお茶屋さんがまだ営業していたので、寿姐は大喜びで小沱茶2斤お買い上げ〜〜〜😍
夕食の後には、『地茂館甜品』で、これぞ香港の冬のデザート「薑湯寧波芝麻湯圓」(黒胡麻餡の白玉団子入りトロ〜リ甘い生姜汁)❣️あったまるし美味しいし…どうして、これが日本にないのかな〜?材料は揃うはずだけど…。
香港1日目は、こうして甘い幸せで終わりました。

でも、なんで「軽井沢」?

これが50HK$(約1000円)だなんて‼️
香港大移動〜諸行無常〜
2日目は、妹記のお粥を朝食にする、と決めていたので、8時にはホテルを出ました。ホテル前のバス停で待っていると、旺角行きのミニバスは5分もせずにやって来ました。
15分ほどで花園街市に到着。今日は、妹記は空いてました。9時ごろからお客さんが増えて来たかな。
寿姐は、シンプルに皮蛋魚片粥に油條を注文。私は、肉団子が食べてみたくて、皮蛋魚腩粥肉団子入りにしたら大きな器で出てきてびっくり‼️値段も上がっていたのに、食べきれませんでした。

お腹いっぱいで、いつものように、ボチボチと、ネイザンロードを北から南へ、なんか、いつも歩いちゃうんだよな〜無意識に定点観測してるのもあるのかな。信和中心のビルも崩れるんじゃないか、と思うくらい廃れていました。う〜む、時代は変わったのだな〜。
ここに来たら香港の媽祖様にお参りしなくては…というわけで、油麻地の天后廟にお詣りします。ここまでくると、観光客が増え、英語や日本語も聞こえてきます。しかし、何度も来ているというのに、廟の真横にグッズ売り場やフォトスポットがあるなんて今回初めて知りました。



その後も歩き続けて、尖沙咀に近づき、九龍公園への入り口の階段に年代別の香港人気漫画が描かれていて、寿姐がこよなく愛する麥兜🐷の姿を発見❣️写真撮影タイムとなりました。
驚いたことに、重慶マンションが、かつて怪しい安宿があったとは思えないほど近代的になっていました。あ〜また私の知ってる香港がひとつ無くなったんだな〜。

九龍公園の入り口の階段に
香港アニメの変遷が描かれていて、
そこに『麥兜』を発見‼️

綺麗になりすぎ❗️
さて、今日は、今にも雨が降りそうな天気だけど、傘の必要はなさそう。空気中の湿度が高すぎって感じで、高層ビルも霞んでるけど、スターフェリーで香港島に渡る頃には、やっと、お腹が空いて来ました。



これまた昼には雲呑麺が食べたい!って決めていたので、トラムに乗って、西營盤まで行き、なんとなく地図上で目星をつけた通りがズバリ当たって『麥明記』に辿り着けました。久しぶりの正統派エビ雲呑麺🦐澄んだ帆立スープとちぢれ麺、そしてプリプリのエビワンタン❤️本望を遂げました。ごちそうさまでした。



食後は再びトラムに乗って北角まで、ゆっくり車窓を楽しみます。
目まぐるしく変わっていく香港だけど、工事の竹の足組だけは変わらず健在だな〜。でも、たまに、竹じゃない足組を見かけたりもしたので、いつまでも職人さんを育成して途絶えないでほしいな〜と思います。
北角に着くと、定点観測地点である『新光戲院』を目指します。なんか広東オペラの女優さんと撮影会をしている方々がおられたので、何か催しでもあるのかしら?なんて思っていたのですが、ちょうどオヤツ時だし、と名物の卵ワッフルを食べ歩きしながら、通りの向かいから新光戲院の看板をじっくり見ていると、とんでもないことに気づいてしまいました❗️
さっきも近くで看板を見ていたはずなのに、その時は気づきませんでした。漢字を良く読むと、「新光戲院が歴史使命を満完成することを祝賀する」と下の横描きに書いてあり、「告別新光」「光栄引退」という言葉が3つも並んでいるではないですか‼️
漢字をしっかり読めば読むほど、閉館前の記念公演として、2/24〜25に「金玉観世音」、2/27〜28に「秦王孟姜」、3/2〜3に「小平你好」を上演して、3/3に「新光 告別儀式」をする、と書かれているのが、はっきりわかり、私たちは何度も「え〜っ?」と驚いたり、「はあ〜」とため息をついたり、しばらくその場を離れられませんでした。
もう10年以上も前になるけれど、ここ新光戲院で広東オペラを地元民に混じって見た思い出は、きっといつまでも忘れないと思います。言葉がわからなくても楽しかったな〜。ほとんどの人が、舞台近くまで押し寄せて、ご贔屓の役者さんにお花を渡したりしてたな〜。トイレ休憩で地元のおばあちゃんたちと「ヤウヤン、ヤウヤン」(人が入ってる、入ってる)と言い合ったのが面白かったな〜。人は「ヤウ」(いる)なんやけど、トイレの紙は「モウ」(無い)なんよ〜と通じたような通じてないような会話をジェスチャー交じりに楽しんだ記憶が蘇ります。ああ〜〜またまた私たちの知ってる香港が無くなるのだな〜〜😭

職人さん頑張ってね!!

いつまでも落胆していても仕方ないので、MTRで北角→金鐘→紅磡→土瓜湾と乗り継いで、土瓜湾を散策しました。ここも九龍城ほどではないにしろ再開発が進んでいるようで新しいホテルはいくつもありました。でも、ここにも天后廟はあるし街市もあり、香港市民の生活は綿々と営まれています。
なんだかんだ歩いて九龍城まで戻って来られました。夕食を食べた後は、今日も『地茂館』で甘いものを頂いて幸せな気持ちで1日を終えました。


初めての町へ
今日は、前回、九龍城のタイ人街で托鉢に回っていたお坊様たちのお寺に行って見ようと思います。SNSで調べたら、東鐡線の太和駅で降りて山の方へ歩いていくと泰和寺というタイ仏教のお寺があるらしいとわかりました。30分もかからないと書いてあったので、そんなに険しい山道ではなかろうと思いましたが、今日の朝食は茶餐廳でガッツリといただきました。
駅に着いてから、どちらの方角に出たら良いかわからなくて迷ってしまいましたが、寿姐のYouTube情報(マクドの方角を出る)と、私がGoogleMapに保存した地図に現在地がGPSで示されたので、なんとか無事に15分ほどで泰和寺に到着しました。
日本では、今日は涅槃会なのだが、中国やタイの暦では関係ないらしく、人もいなくて静かでゆったりできました。やっぱりお寺は落ち着きます。僧侶が暮らしていらっしゃるのでしょう、朱色の法衣を洗濯して干してありましたから。




緑豊かなところですが、
近くに高架道路があるので
若干の雑音が聞こえるのが難ですね。
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落ち着いておられます。
さあ、お寺を後にして、俗世へ戻ります。ひと駅戻って大埔墟で降り、お昼ご飯を求めて、大埔墟街市&熱食中心へ。今度は、人の流れも見ながら迷うことなく辿り着けました。(食べ物には鼻が効くのか?)と〜っても大きな建物の1・2階が市場で3階が食堂街(フードコート)になっています。1階から順番に上がっていった私たち、特に新鮮で活きの良い魚介類に感動してしまって、すっかり海鮮が食べたい口になってしまいました。しかし、フードコートには、お昼時に、私たちが食べたいシーフードを出してくれそうな店がなくてガッカリ…😮💨
市場の建物を出て、路面店で豆花を食べ、おこわを包んだ饅頭を公園で腰掛けて食べました。そして、今度は、東鐡線を金鐘まで行き、トラムに乗って東の終点、筲箕灣まで。さすが端っこの町!菠蘿包が3HK$と今まで見た中で最安値!!(最高値は7.5HK$)行列のできる美味しそうなパン屋さんに出会うが、悩んだ末に買わずにホテルに戻りました。(今でも少し後悔してます。まあ、また、行けば良いだけなんだけどね。)
ここまで3日間の夕食は、九龍城で見つけたお弁当屋さんで、白ごはんの上に3種類のおかずを乗っけてくれて、46HK$(これを2人で分けて食べるので1人あたり23HK$)+スープ付き❣️

近くから全景は撮れません。


ワンフロアが広くて
お店がたくさんありました。

香港にいながら台南に行きたくなっちゃうな〜。






中華だから炒め物が多いけど、
野菜メインで選んでるし、
何より美味しいんだもん❗️

何のために来たんだ?
さて、今日は日曜日です。クレソン畑の飲茶屋さん『瑞記茶樓』に行くので、お腹を減らして、荃灣行きのミニバスに乗り込みます。川龍村行きのミニバスに乗り換えて、いざ!
しかし、降りてみると、帰ろうとしている人の多さに嫌な予感が…でも鳥は鳴いてるし…店の前まで行くと、が〜〜〜〜ん!!!!休みやん!!「2/10〜17温泉に出かけるので休みます」とのお知らせが書いてある…こういう時、やたらと漢字の意味がわかるって悲しいわ!温泉って、もしかして1週間も休むってことは、私たちと入れ違いで日本に行ってるんやないの?キャア〜めっちゃ皮肉やん!お店は休みでもクレソン畑は青々としているのに…恨み言をぶつぶつ呟きながらも、すごいショックから、すぐに立ち直り、ミニバスで荃灣に戻ります。だって、お腹が空いてるから…空かして来たんだから(涙)
街市の裏の通りで飲茶レストラン(少し高そうな…)を見つけて入ったはいいけれど、時間的に途中で早茶の時間が終わり、下午茶まで合間が空くので、注文できる品が限られて残念でした。う〜空腹に負けた〜。店選び、急ぎすぎた〜。
食べ終えて、もう少し裏手を歩いていると、素食のお店やお弁当屋さん、私たちが食べたかった飲茶の品の写真メニューがある『星點心専門店』というのも見つかりました。わあ〜、これで、PandaHotelが私たち好みなら、旅のベースキャンプを九龍城から荃灣に変更可能かも?
ということで、PamdaHotelを捜索してみることに。意外にすぐに見つかりました。しかも、AEONとか日系の新しいショッピングモールと一体化したPandaHotelを発見。ロビーは3階ということで上がってみると、おお〜広い!客室専用のエレベーターが5〜6基はあるぞ〜!スイミングプールは8階にあるんだ〜ヘェ〜と感心することしきり。コインランドリーもたくさんあり、宿泊料金さえお財布に合えば、あるいは、夏だったら、プールもあるし泊まっても良いかな〜。あっ!でも、クレソンは冬しかない!!う〜ん、悩むな〜。
『瑞記茶樓』で果たせなかったクレソンへの想いを帰国後に託して、私はひと束10HK$のクレソンの密輸を試み、なんのお咎めもなく、自宅でクレソン鍋を楽しみました。


なんと温泉に浸りに行くので休みます、とのお知らせが…オ〜マイガ〜!




昨日の夜、ホテルのWiFiで調べたら、ネイザンロードの義順牛奶公司は無くなって、新たに銅鑼灣のそごうの裏手あたりに店がある、とのことだったので、時間もあるし、行ってみることにしました。(どうりで、2日目にネイザンロードを歩いた時に見つからなかったわけだ…。)
行ってみると、SNSで書いてあったような行列はできてなくて、すぐに入店できて、すぐに注文して食べられました。(時刻は12:30ごろでした。)

冬はやっぱり熱いのをいただきます。



日本で同じ量のクレソンを買ったら
2千円はするかも、ですね。

香港は香港だ〜と叫びたい!
4日目、ジンジャーミルクプリンを食べ終わって満足した私たち、時間もあるので、珍しく、紅磡にある『香港歴史博物館』に行ってみることにしました。
本来、私たちは、あまり博物館や美術館に足繁く通う方ではありません。天気が悪かったり、初めてだったり、時間があって偶然に、という程度です。
香港では、以前、沙田にある『香港文化博物館』でブルース・リー展をやっていて面白かった思い出があります。
私は今回、『地球の歩き方BOOKS 香港メトロ散歩 MTRで巡るとっておきスポット&新しい香港に出会う旅』という2019年に初版発行された本を大いに参考にしたのですが、その中で、『香港歴史博物館』も楽しそうに紹介されていたのです。
なので、『香港文化博物館』と同じような面白さを感じられるかと期待していましたが…。
入場料は無料でしたが、入場時に荷物のX線検査がありました。そして、一番初めの展示は、スクリーンで香港の歴史を中国本土目線で語るものでした。まず、古来、香港は中国の土地であった、秦・隋・唐・元・明・清…英国の占領・日本の侵略(南京殺略を特にフューチャーしていました)…そして解放(国民党と共産党の件は割と省略されています)、現在の発展に繋がっている、というような、まるで洗脳が目的かと思うような内容の映像を見せられて、大いに食傷気味になってしまった私たちは、あとの展示もほとんど楽しめませんでした。
本の中では、2階のカフェではミルクティーが気軽に楽しめる、とか、ミュージアムショップもあるように書いてあったのですが、まるで見当たらず。もしかしたら、コロナ禍を経て、この5年間くらいで展示内容・方針が大きく変わったのかもしれません。
こういうところに、ひしひしと、香港の民主化が潰され、中国本土の経済・教育・倫理などが力づくで蔓延って来ているのを感じます。
帰国してから、ちょうど、映画館で『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』を上映していたので、2人で見に行ったのですが、「良かった。本当に良い映画を劇場で見れて良かった。ルイス・クー、リッチー・レン、アーロン・クオック、そして、サモ・ハン、香港の顔とも言える俳優たちの熱演に思わず拍手したくなるほど感動した。」そして、なぜだか、見終わって涙が止まりませんでした。映画としては、中国本土の会社もお金を出しているし、アクション監督は日本人だし、純正の香港映画というわけではないかもしれないけれど、そこに込められた想いは、香港は香港だ、という想いではないか、と思うのです。もちろん、真っ向からそれを声高に言ってしまうと、上映できない危険性もあるから、上手くまとめてあるな〜と思いますけど。
諸行無常。変わらないものはないのですけれども、一方的な力で変えられていく香港を嘆きます。一方で、変わらないものもあるはずだと信じたい気持ちもあります。映画でも最後のセリフが「変わらないものもあるさ」でしたね。だからこそ、「もう、香港なんかに旅行しない。」ではなく、「定点観測しに、また、香港に旅行に行こうかな〜」なのだと思います。(ん?やっぱり「またアレ食べたい!」って食べ物に釣られてるだけ?)
さいごに…海鮮に当たった?
食生活が地元密着型なので、両替したお金がとても余っていることに3〜4日したら気づきました。大埔墟で海鮮を食べられなかった思いが後を引いていたのでしょう。最後の夕食くらい豪華に海鮮でも食べようか、ということになりました。そして、九龍城で調べた海鮮料理の店で私たちが惹かれて選んだのが『海鮮蒸気鍋 蟹仙』というお店でした。独特な形の鍋で海鮮を蒸し焼きにして、そのエキスを鍋の下で雑炊が受け止めて、それを〆にいただく、というものです。最後にデザートまで付いて、2人前906HK$(この4日間の全ての2人分の食費より高い!)という大盤振る舞いをしてしまいました。
いや、美味しかったから、後悔はしてませんよ。これもまた思い出ですもの。

支払い時には453HK$だった。











後日談ですけれども、帰りのキャセイの飛行機の中で配られた食事は、「もう、これしかなくて…」と、シーフードカレー一択だったのですけど、私は、帰国した日の夜中と朝に嘔吐して、寿姐は、1日遅れで嘔吐した、というエピソードがあって、私の場合は時間帯からみてシーフードカレーが怪しいのだけれど、集団食中毒のニュースはないし、寿姐に至っては遅すぎなので…おそらく、2人とも、温かい香港から底冷えの日本に帰ってきて、胃腸がビックリしたのであろう、ということにしておきます。
決して、お店やキャセイに対する誹謗中傷ではございません。
いくら口福に恵まれた満寿の2人でも、こういうこともあるのよ、ということです。
教訓。 よる年波には勝てず。適度に適量をいただくように心がけなくてはね。
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