斗六・西螺
2024年の夏の台湾西海岸の旅は、名付けて、『媽祖様巡りの旅』であります。
台湾を旅するようになる前から、香港でも天后廟にはお参りしていたし、そこに祀られているのが、実在した女子で、神がかって船乗りである父たちを嵐から守ったことから、漁師や海洋業に関わる人たちから死後に崇められるようになった、という逸話があることも知っていました。
実在の人物を神格化するのは、中国を初め日本でもよくあることですが、一神教の国々には理解し難いところかもしれませんね。
台湾は、中国大陸から海を渡って住み着いた人も多く、そういう人々が、無事に海を越えてたどり着けたことを感謝して、媽祖様を祀る廟を建てたと言われています。現在では、台湾全土で870もの媽祖廟があるそうです。
今では、家内安全・五穀豊穣・一路平安など多岐にわたって願掛けをするようです。私としては、拡大解釈して、旅の安全を一番にお祈りしています。いつも日本式に手を合わせてお祈りするだけだけど、とってもご利益があると信じています。なにしろ、今まで、旅行中に大きなトラブルにあってませんから。(いつもネコブルくらいで済んでる…苦笑)
斗六の街には初めて訪れました。老街が綺麗な状態で残っていて、台湾最長600mも続いている、とのことですが、暑くて、とても600mも見て歩く気力がありません!
お昼ご飯を食べるところを探していると、新興宮に出くわしました。
おお!天上聖母様!(媽祖様は、こう呼ばれることもあります。)
お参りしたあとで、媽祖様のお導きか、イカのとろみスープ麺にたどり着けました。食後には、道中に目をつけていた鮮果汁(フレッシュジュース)屋さんで、搾りたてのスイカジュースを50元でいただいて、満足、満足!
さあ、次の街・西螺に移動するぞ〜というわけで、台鐡斗六駅裏のバスステーションからバスで向かいます。
西螺は醤油で有名らしく、バスの車窓からも醤油を売る店がたくさんあるのが見えました。(残念ながら買わなかったけど…)
今回は、1日で2カ所回って駆け足だったから、今度は、ゆっくり歩きたいと思う街でした。暑くない時にね。
白沙屯・大甲
いつもは、台北から台鐡で南下すると、台中に寄るから、山線に乗ることが多いのですが、今回は、海線に乗らないと行けない所に行きます。
台湾鉄道路線図を見ると分かりますが、竹南から彰化の間は、台湾高速鉄道を挟んで海側を海線(海岸線)、山側を山線(台中線)と呼び、分かれています。どちらも複線ですが、山線の方が駅数も少なく電車の本数が多いので、早く移動したいなら山線を選びます。海線は駅数も多く、電車の本数が30分に1本くらいなので、時間を考えて移動しなければなりません。
SNS上でよく台湾のウユニ湖っぽい写真が撮られている高美湿地に近い清水駅も、この海線にあります。(今回は、干潮のタイミングが合わずにパスしましたが…またいつか行きたいな〜)
白沙屯は、去年、鹿港の天后廟で出会った自称カリーナ・ラウ女史にお札をいただいた縁で、今回初めて訪ねました。調べてみると、白沙屯の媽祖様の巡行は、台湾で一番長い距離なんだそう。
駅を降りてから、あまり人を見かけなかったのに、廟に近づくにつれて人の姿が急に増えてきました。廟の横手から裏手にお土産屋さん街が広がっています。その奥には、何カ所もの駐車場があり、自家用車に乗って家族連れでお参りに来る人が多いようです。
少し歩いて海辺に出てみると、この辺りは、風が強いので、風力発電タービンが海辺にたくさん立っていました。
風の強い炎天下に海辺を歩くという酔狂な人間は、私たち以外にも1〜2人、いらっしゃいましたよ。
駅に戻って、次は、大甲まで行きます。どうも、この白沙屯の駅は、拱天宮のためにだけあるような駅でした。
大甲は、海から離れて少し内陸部に入った、割と大きな町でした。駅からまっすぐ歩くと左に見えてくるのが、鎮瀾宮です。ここの媽祖様の巡行も台湾で最大規模と言われていて有名です。ディスカバリーチャンネルから世界三大宗教行事の一つとして認定された他、ユネスコから「世界無形文化遺産」にも認定されているそうです。
白沙屯にしろ、大甲にしろ、媽祖巡行は、大体3〜4月に行われることが多いのですが、一度は参加してみたいものです。(人が多いの苦手だし、暑いのも大変そうだけど…)
お参りの後は、暑さでバテ気味で、タロ芋のカキ氷を食べて体を冷やして休憩しました。(欲を言えば、もっと氷の量を増やして欲しかった!大甲は、タロ芋の産地として有名で、さすがに食べ応えがあったけど。)
台南安平・恒春・屏東
台南に来ると、やはり安平の天后宮にも参らなくてはなりません。いつ来ても落ち着く所です。牡蠣が名産なので、その殻をむいている作業場前は潮の香りで一気に食欲に火がつきます。(あ、もちろん、台南市内にも大天后宮があり、そちらも私たちは大好き❤️いつぞやは、偶然、京劇のような催しをしている時に訪問して、2時間くらい現地の人に混じって楽しく鑑賞したという思い出があります。)
今年は、鄭成功がオランダから台湾を独立に導いて400年という記念の年だそうで、「台南400」と書いたグッズがたくさんあったのですが、売店のお姉さんが、先にいたお客様3人に長々と捕まっていたので、買い物は断念しました。
恒春も初めて訪れる町。10年以上前に私たちは、台湾の最南端・墾丁のウォーランビー岬まで行ったことがあるのですが、高雄からバスで行ったので、途中にある恒春をはしょってしまって、ようやく今回訪れることになったのです。
2008年に台湾で大ヒットし、日本でも上映された、『海角七号 君想う、国境の南』という映画のロケ地が今も残されていて、一度は行ってみたかったのです。
それと、もう一つ、私たちの台湾旅行は、別名「茶葉の仕入れ旅」ではないか?と自分たちで自虐的に言っているのですが、恒春には、台湾の一番南の海沿いで栽培されたという港口茶というものがあるらしい、という情報に、これをゲットしたい!!という気持ちが抑えきれなかった、という理由もありました。
しかし!目当てにしていたお茶屋さんは、なんと昼休み中で、ベルを鳴らしても人は出て来てくれず、がっかりしていたところ、バスターミナルの隣に併設された土産屋さんの中で、港口茶を見つけて、なんとか、品はゲットできました。(本当は、お茶屋さんで試飲したかったけれど…日本に戻ってからも、まだ封を開けていません。楽しみは先延ばし…ムフ。)
恒春の町は、清朝時代の城壁で囲まれており、今回、南門から西門まで歩いたけれど、城壁内はちょうど歩いて観光するのに適したサイズの町だと思います。(何度も言うけど、暑くなければ…ね。)
屏東を6年前に初めて訪れた時、台鐡屏東駅は改装工事中でした。南の辺境の駅まで来たものだ、という感慨に浸れる街でした。
しかし、近年、台中駅も、潮州駅も、高架化がどんどん進み、1階には、フードコートやショッピングセンターがある、という似たような仕組みの駅になっています。利用するには便利だけれど、少し寂しい気もします。(日本の鉄道の駅も、都会も田舎も似たような建物になって特徴がなくなりましたよね。それと同じですね。ただ、台湾の素敵なところは、台中駅など優れた歴史的建造物はリノベーションして残して再利用する、というところ!これは、日本ももっと見習うべきところだと思います。)
ここまで書いてきて、媽祖というものに関心のない人には、どれも同じように見えるし、ちっとも面白くないのだろうな〜と思ったりします。
でも、最近、各地の仏像を訪ね歩き撮影する仏像ガールなる方もいらっしゃるらしいので、媽祖ラバーがいてもおかしくないわよね、と開き直ったりもします。(ちなみに、私は散歩中に、お地蔵様に手を合わせてお顔を拝見するのも好きです。)
台湾には、たくさんの媽祖ラバーの同志がいて心強いです。昔に比べて、媽祖様グッズも充実してきたし…ネ!🎶
ここで、今まで集めた媽祖様グッズをご紹介!!!!!
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